「WE ARE X」の感想について書きたいと思います。
X JAPANのこれまでの軌跡を辿る映画ですが、ものすごく感動的な作品でした。
ただのバンドのプロモーション映画ではなく、色々と考えさせられる映画でうまく考えがまとまっていませんが、まとめていきたいと思います。
ネタバレを気にせず書いていくので、ネタバレが嫌な方は別の記事などをどうぞ(・∀・)b
目次
WE ARE Xの感想の前に
「WE ARE X」の感想は、元々X JAPANとどんな関わりを持ってきていたかで違うと思います。
なのでまずは、私自身のX JAPANとの関わりについて書きたいと思います。
X JAPANをちゃんと知ったのは高校生時代
私がX JAPANをちゃんと聞くようになったのは高校生になってからでした。
もうその時は既にX JAPANは解散していました。
どちらかというと、最初はX JAPANに対してマイナスのイメージを持っていました。
というのも、当時ギターをやってバンドをやっていた私は、「ロック=洋楽」という固定概念が強かったからです。
日本のロックバンドに対してはどうしても偏見を持っていました。
(自分が日本人でギターをやってバンドをしていたクセにという矛盾がありますが・・・)
当時好きだったのはヴァンヘイレン、エアロスミス、ミスタービッグなどなど。
X JAPANは当時の私にとっては、日本人だしダサかったんです。
友人が「X JAPANの演奏のギターがすごい」と話していても、「絶対ポールギルバードの方が上手いし」と思っていました。
でも、周囲のバンド仲間、ギター仲間にはX JAPAN好きが多かったので、自然に影響を受けていきました。
ギターが上手い友人の一人がX JAPANのギターを弾いているのを見て、純粋にすごくかっこいいと思ったことが大きかったと思います。
しかもX JAPANのギターは、洋楽と比べるとコピーがしやすかったので、ギターが上手い友人と一緒に、HIDEパートとPATAパートに別れてギターソロをハモって遊ぶようになります。
そんなこんなで、X JAPANの魅力にハマっていきました。
でも、あくまで音楽の部分や、例えばYOSHIKIが東京ドーム公演のリハーサルでカレーが辛くて帰った話のようなテレビで語られる部分ぐらいしか、「WE ARE X」を見るまでは知りませんでした。
WE ARE Xを見た感想
余計な私のエピソードの前置きが長くなってしまったので、ここから「WE ARE X」の感想をちゃんと書きたいと思います。
YOSHIKIの語りが中心
「WE ARE X」は2014年10月11日のマディソン・スクエア・ガーデンでの演奏までの数日を追う映像と、過去を振り返る映像やインタビューを織り交ぜるという構成でした。
映画はYOSHIKIの語りを中心に、主にYOSHIKIの半生、そして彼の死生観にフューチャーして話が進んでいきます。
その合間に過去のライブを含めての演奏シーンも入ってきます。
曲に関しては1曲通しての披露はなかったのですが、曲の使い方がすごくうまいと感じました。
「今」のYOSHIKIの目線で過去のエピソードが語られているところが、この映画の見どころだと思います。
X JAPANの激しさと美しさ、YOSHIKIの内面の痛みや苦しみとの対比が映画のアクセントになっていました。
YOSHIKIの父親の話
YOSHIKIが10歳の時に父親が自殺したということも語られています。
YOSHIKIは自死遺族だったんです。
それをきっかけに「全てが変わった」とYOSHIKIは語っていました。
自分の愛が足りなかったことで父が死んだと考えたこと、自分の自殺を考えるようになったり、死に関しての本をたくさん読むようになったこと、暴力的な衝動をドラムにぶつけていたことなど。
私にとって、X JAPANの曲の歌詞によく出てくる「血」という言葉や死を連想させる言葉が印象的だったのですが、今まではバンドのイメージのために、意図的にそういう言葉を歌詞に使っているのかと思っていました。
でも、これらのエピソードを知って、歌詞のほとんどがYOSHIKIの内面から自然に出てくる言葉だったのかと腑に落ちました。
映画の前半部でこれらのエピソードが語られるのですが、X JAPANに対してのイメージがここでガラリと変わる人も多いのではないかと思います。
YOSHIKIの死生観
映画でYOSHIKIが語る言葉や行動の一つ一つが、こういうバックグラウンドがあるからだからか、すごく心に響きます。
普通の人では考えられないほど、死に向かい合って苦しんで生きてきたんだと思います。
だから達観しているということではなく、YOSHIKIは今も現在進行系で苦しんでいることが伝わってきました。
ライブでの演出じゃないか?と思うようなYOSHIKIが力尽きる、倒れるシーン。
正直なところ今までは嘘くさいと思ってましたが、YOSHIKIの全力を出し切るスタンスには偽りが無いとわかり、印象が変わりました。
墓参りのシーンが印象的
YOSHIKIの墓参りのシーンが数回登場します。
父親、HIDE、TAIJIのお墓。
特にTAIJIの墓参りのシーンはToshlと一緒で、墓前で二人が会話をするシーンが特に印象に残っています。
Toshlの「でも、生きてるから」という言葉。
YOSHIKIとToshlは今も生きていて一緒に活動できるようになった、でもHIDEとTAIJIは今はいなくて、という思いが詰まった一言だったと感じました。
YOSHIKIとToshlの友情
幼馴染のYOSHIKIとToshlのこれまでのエピソード、今の関係性もすごく感動的だと思いました。
Toshilの洗脳が溶けるきっかけの一つが、YOSHIKIとToshlの二人だけで食事をしたことだったというエピソード。
スタジオで学生時代の出来事などの会話をしているシーン。
そして、ToshilがX JAPAN復活で戻ってきたときの心境を「Xが復活したことよりも、Toshlが友達として戻ってきてくれたことが嬉しかった」とYOSHIKIが語るシーン。
Xは二人が友達だったからスタートして、ToshlのXの脱退は友達だからこそ厳しい要求をYOSHIKIがしたことが原因かもしれないし、洗脳から戻ってこれたのは二人の友情があったからだし・・・・
YOSHIKIとToshlの関係性というのも、X JAPANのサイクルにすごく影響していたんだと思います。
今の二人の関係性がすごく良好であることをとても嬉しく思いました。
WE ARE Xの感想のまとめ
印象に残ったことを感想として書いてきましたが、主にドキュメンタリー部分が強く印象に残りました。
感想であまり触れていませんが、X JAPANの過去のライブシーンや今の演奏シーンについても、かっこいいシーンがたくさん収められていて、映画館ならではの迫力の音と映像で楽しむことができるのも見どころだと思います。
先日のイギリスのウェンブリーアリーナのライブでは、最初に「WE ARE X」が上映されて、その後にライブがスタートするという構成だったそうです。
この映画を見た後に本物のライブが始まるなんて最高の演出だなと思います。
映画館でも、「WE ARE X」と「ウェンブリーアリーナライブ」の2部構成で上映したら、さらに動員数が増えそうです。
ファン以外がどう感じるかは少し疑問
私はある程度X JAPANのことを知っている状態で見たので、「WE ARE X」を見ることで知らなかった部分を補完してくれたという感じでした。
ただ、X JAPANのことを全然知らない人が見たらどうなんだろう、とも思いました。
X JAPANを知らない人に見てもらうには、映画の中で代表曲数曲をフルで流した方がよかったかも。
でも、最初からこの映画からライブにつなげるという構想だったら、あんまり曲をがっつり使わない方がいいって考えもありますよね。
全然ファンじゃない人の感想も聞いてみたいです。
WE ARE Xを見た映画館
桜木町駅前のコレットマーレにある映画館「ブルク13」で見てきました。
横浜駅近くで電車で行ける映画館がよかったのですが、「WE ARE X」を上映している映画館はちょっと少なめです。
主に東宝系の映画館のみの上映で、「WE ARE X」の公開をしていない映画館が多いです。
神奈川県内では、
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TOHOシネマズ ららぽーと横浜
TOHOシネマズ 上大岡
横浜ブルク13
イオンシネマ港北ニュータウン
TOHOシネマズ 川崎
TOHOシネマズ 海老名
TOHOシネマズ 小田原
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で上映中です。
ただ上映されていても、私が行った「横浜ブルク13」では夜の7時40分からの回だけだったり、1日通して上映しているところは少ないみたいです。
また、上記の映画館では「イオンシネマ港北ニュータウン」は3月31日で上映終了予定みたいです。
あんまり長く上映してくれないかもしれないので、見に行く場合はそれぞれの映画館の上映スケジュールをよくチェックした方がいいと思います。
WE ARE Xのサウンドトラック
WE ARE Xのサウンドトラックは輸入盤と国内盤の2種類発売されています。
赤いジャケットが国内盤。
青いジャケットが輸入盤です。
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収録曲に違いがあり、国内盤には「Rusty Nail (From Dahlia Tour Final ~無謀な夜~)」「Forever Love (From the Last Live)」が追加収録されています。
さらにブルーレイ作品が発売予定みたいで、「在庫切れ」状態でしたが登場していました。
サウンドトラックは過去の音源も多いですが、映画のための新曲の「La Venus」、そして「Without You」が収録されています。
このレビューを見ると、この2曲目当てで購入しているファンの方が多いみたいでした。