トヨタの新型CHRを試乗してきました。
試乗した場所は、以前タンクとルーミーを試乗したのと同じお台場のMEGA WAVEです。
1.8Lエンジンのハイブリッド車、1.2Lエンジンのターボ車の両方の試乗できたので、ハイブリッド車とターボ車の比較を含めた感想とレポートを書きたいと思います。
トヨタCHRのターボ車の試乗感想とレポート
CHRのターボ車を最初に試乗しました。
(2018/5/29追記 当時ターボには4WDの設定しかなかったので、このレポートは4WDを試乗しています)
グレードは「G-T」だったのでCHRのターボ車の上級グレードでした。
CHRのG系グレードの違い
上級グレードのG系になると、ナビ周りのインパネがピアノブラックに変わって、シフトレバー近くの電動パーキングブレーキなどのスイッチ部分もピアノブラックに変わります。
また、内装色がリコリスブラックになり、シートは本革とファブリック生地になっています。
さらに、タイヤとアルミホイールが18インチにインチアップ、ヘッドライトとリヤレンズがLEDに変わっています。
下位グレードは「S-T」になりますが、この後ハイブリッド車の試乗車が「S」だったので、その際にまた「S」グレードにした場合の変化についても書きたいと思います。
CHRのターボ車の加速
CHRのターボ車でまず確認したかったのが加速性能でした。
CHRはターボ車が4WDのみ、ハイブリッドは2WDのみという設定なので、試乗車も4WD車となります。
スペックを見ると1.2Lのターボエンジンは「116馬力」。
1.8Lのハイブリッド車は、エンジンが「98馬力」でモーターは「72馬力」。
プリウスと同等のスペックだとすると、エンジンとモーターを合わせたシステム出力で「120馬力」となります。
そして、車両重量はターボ車がハイブリッド車よりも30kg重くなります。
スペック上は、4WDだけど重量と馬力で少しターボ車が劣るということになりますが、
実際試乗で体験できた加速性能は「そこそこ」という印象でした。
公道ではない試乗コースだったので、最大40kmという制限だったので体験できなかったのが40km以降の加速感です。
雑誌等では、ターボエンジンは40km以降の加速が良いっていうコメントもあったのですが、残念ながらその速度域については体感できず。
CHRのターボ車の室内の静粛性
静粛性のレベルはすごく高いと感じました。
加速時以外ではエンジン音の室内への侵入はほとんど感じられません。
CHRのターボ車のみ7速スポーツシーケンシャルシフトマチックを装備
シフトの部分をターボ車とハイブリッド車で比べるとわかるのですが、ターボ車は7速スポーツシーケンシャルシフトマチックになっています。
実際はCVTなので無段変速なのですが、シフトレバーをDから右側のMにシフトするとギアを上下にシフトすることで、仮想のギアを上げ下げすることができるようになります。
低速ギアで引っ張って加速するような走りや、シフトダウンしてエンジンブレーキを効かせるような走行ができます。
昔乗っていたカローラフィールダーのCVT車に同じ装備がありましたが、けっこう面白い装備なので個人的には好きです。
ハイブリッド車には7速スポーツシーケンシャルシフトマチックは無いのですが、走行モードの切り替えがボタンでできるようになっているので、この後のハイブリッド車の試乗レポートで記載したいと思います。
トヨタCHRのハイブリッド車の試乗感想とレポート
CHRのハイブリッド車をターボ車の次に試乗しました。
試乗車のグレードは「S」。
CHRのハイブリッド車の下位グレードでした。
CHRのS系グレードの違い
G系のグレードにある、ピアノブラックの加飾がナビ周りや電動パーキングブレーキのスイッチ周りなど一部無くなります。
内装色はブラックで、シートはファブリック生地になります。
タイヤとアルミホイールは17インチにインチダウンして、デザインも変わります。
G系の方がアルミホイールのデザインが良いので、サイズよりも個人的にはデザインの違いが気になります。
ヘッドライトはプロジェクター式のハロゲンライト、リヤのランプは通常のバルブ式に変わります。
ただ、内装のエアコンスイッチ周りとハンドルのピアノブラックの加飾はS系でも残してくれているのと、ダッシュボードの手前側のいわゆるインストルメンタルパネル部分の皮の装飾は残してくれているので、質感がS系で極端に落ちるという印象はありません。
一番変わるのは外装なのかもしれません。
CHRのハイブリッド車の加速は?
スペックの違いについてはターボ車の試乗レポート部分で書きましたが、スペック上はハイブリッドの方が走りは有利そうです。
実際にハイブリッド車を試乗コースで加速させてみると、ターボ車以上の加速感を感じることができました。
しかも、ターボ車には無い座席に吸い付けられるような感覚も加速時に少し感じられたので、ハイブリッド車はかなり加速性能が良いようです。
でも、これは私が悪いのですが、最初にターボ車を試乗した時はアクセルの踏み具合を少し遠慮してしまっていた可能性があります。
ハイブリッド車の方がかなり加速性能が良く感じたのですが、これは私の運転の問題で、同条件で比べられていないかもしれないので、もしも他にもCHRのハイブリッド車とターボ車で加速性能を比較した方がいらっしゃったらコメントでもいただけるとありがたいです(;^ω^)
CHRのハイブリッド車の室内の静粛性
ハイブリッド車も室内の静粛性はかなりレベルが高いです。
低速走行時や停車時はエンジンが停止するのですが、特に走行中にエンジンがかかっても気づきかなかったです。
試乗のスタート待ちがCHRに乗車してから数分あったので、エアコンを使っていたせいか少しの間エンジンが始動したのですが、さすがに停車時は振動もあるのでエンジンの始動には気づきましたが、「音」という意味では加速時のエンジン音以外はほとんど室内への侵入はありません。
カタログにも書いてありますが、ハイブリッド車だけ、エンジンアンダーカーバーにサイレンサー、つまり遮音材が入っていることも影響しているのかもしれません。
CHRのハイブリッド車は走行モードの切り替えができる
CHRのターボ車にある「7速スポーツシーケンシャルシフトマチック」は無くて、シフトでは「D」とエンジンブレーキを効かせる「B」しか選択できないのですが、ハンドルにあるボタンを操作して、2つあるメーターの真ん中にあるマルチインフォメーションディスプレイで走行モードの切り替えができるようになっています。
「ノーマルモード」「ECOモード」そして「スポーツモード」です。
「スポーツモード」はパンフレットでは峠道で試してほしいと書かれていますが、「スポーツモード」では加速性能もアップしたように感じました。
「ECOモード」では、同じアクセルの踏み方でも加速が少し弱くなる印象です。
ただ、このモードの切替は画面を見ないとできないので、走行中に切り替えするのはちょっとやりづらかったです。
操作に慣れればいいかもしれませんが、マルチインフォメーションディスプレイで走行モードを注視し過ぎないように気をつけないといけないのがちょっと残念。
トヨタCHRのハイブリッド、ターボ共通した試乗時の感想
ハイブリッド車とターボ車に共通した試乗時の感想についても書いておきます。
CHRの前方視界
CHRの試乗での前方視界についての感想ですが、座る位置はプリウスなどよりも少し高めで、目線の位置も高くなります。
そのため見晴らしが良いのですが、車両の先端は見えないので、車両感覚は慣れるまでは掴みづらいかもしれません。
ドアミラーはサイズが大きいこともあって後ろが見やすいです。
前方の視界を良くする工夫として、使用していない時のワイパーは視界の邪魔にならないようになっているそうです。
気になるかもしれないのが、フロントウィンドウの角度が寝かせ気味なので、左右の視界にピラーが入り込みやすいところです。
前方視界については、ミニバンより悪くて、コンパクトカーと同じくらいでしょうか。
ピラーが気になる方がいるかもしれませんが、ここ最近の車では平均的かも。
CHRの後方視界
CHRの後方視界については相当悪いことを覚悟していたのですが、実際に試乗して見ると走行中に関してはさほど問題にならないと感じました。
走行中のルームミラーでの後方確認については、CHRが特別悪いとは感じませんでした。
でも、リヤドアウィンドウのサイズが小さくて、バックドアガラスからの視界は狭いので、車線変更での目視等の際は気になりそうです。
上の写真は運転席から後ろを目視した際のカットですが、、駐車の際に目視での後方確認は難しいことがわかると思います。
バックモニターは必須だと思います。
後方視界については日産にあるスマートルームミラーみたいな装備があったらいいのにと思いました。
CHRの後部座席の広さ
試乗というより、展示車で確認をしたのですが、後部座席は狭くないと思います。
外から見たデザインや、事前に公開された外国人が後部座席に座っている画像を見て、後部座席は相当に狭いのでは無いかと思っていました。
でも、実際に後部座席に座ってみると、頭上空間も充分に確保されているし、足元空間もきちんと確保されていて、シートもしっかりしていることもあり、個人的には全く不満はありませんでした。
後部座席の広さについては、プリウスよりも頭上空間に余裕があるのでプリウスよりも広く感じますし、ハリアーと乗り比べても、後部座席についてはさほど違いは感じませんでした。
強いて言えば、リヤドアウィンドウが狭いので、外の景色はかなり見づらいというところ。
この写真で見てもわかるようにリヤウィンドウは元々縦の長さが短いですが、後ろに向かって更に短くなり最後は窓が途中で亡くなってしまうデザインです。
2ドアクーペに見えるようなデザインを優先した弊害なのですが、車酔いする方には、景色が見づらいのはどうなのか・・・という心配もあります。
次に説明する、走りの安定感があることは車酔いする方にはよいところだとは思います。
CHRの走りの安定感
CHRはプリウスからスタートした「TNGA」という最新のプラットフォームを採用していることが売りの一つになっています。
プリウスはこの新しいプラットフォームのTNGAを採用することで、走りが劇的に変わったという評価がされていますが、CHRについては、そこからさらにニュルンベルク耐久レースで走行テストを重ねてセッティングを煮詰めたということがパンフレットなどで謳われています。
CHRの走りの「安定感」については短い試乗時間の中でも非常にレベルが高いと感じることができました。
走りの安心感というのは、かなりの高レベルです。
試乗コースの中に、レンガ路の部分と、欧州の凹凸路を再現した箇所があったのですが、路面の凸凹をしっかり吸収して、室内にはあまりショックは伝わってきませんでした。
また、試乗コース内でスラローム走行を試せる箇所があったので、かなり大きくハンドルを切ってみましたが、ロールして車体が傾くような印象も無く、スムーズにカーブできました。
サスペンションはリアにダブルウィッシュボーンを採用したり、ヨーロッパ仕様のザックス社製のショックアブソーバーの採用が効いているようです。
ホンダのヴェゼルと比較する方も多いと思いますが、フィットベースのヴェゼルとは「走行安定性」の部分に大きな差が出るようです。
CHRはプリウスベースなので、プリウスとフィットの車格の違いを考えると、基本性能ではCHRがワンランク上の車格と考えていいと思います。
CHRの値引き状況
CHRの値引き、CHRの購入を考えている方は気になると思いますが、2018年5月現在は「25万円」ほどが値引き額の相場のようです。
(雑誌からの情報)
CHRの値引きはかなり緩くなっていますね。
値引き交渉の際はトヨタ同士で競合させると、良い条件が出やすいそうです。
また、以前のルーミーとタンクの試乗レポートで書いたように、CHRを安く買うには値引き交渉に加えて、下取り車を高く売ることができれば「値引き+下取り車価格」の合算で、CHRの購入総額をもっと下げることができます。
下取り車の売却については、ディーラーより下取り車が高く売れる可能性が高い、買取専門店を使うのが今は人気だそうです。
例えば、「かんたん車査定ガイド」のような、ネットでできる一括無料査定サイトを見てみると、下取り車がディーラーよりも「100万円」以上高く売れているケースも紹介されています。
CHRを安く買うには、下取り車を高く売却して総支払額を安くする方が、もしかしたら値引き交渉よりも簡単かもしれません。
一括無料査定の利用者が増えているのも納得です。